九羽鳥庵
それは、とてもとても美しくて、価値と歴史のある素晴らしい壷でした。幼い私が見ても、その美しさにため息が堪えられないほどに。
もちろんそれは、お祖父さまにとってもっともお気に入りのコレクションのひとつ。その儚き美しさが、間違って欠けてしまうようなことがないように、私には絶対触れてはならないと日頃から厳命されていました。
……でも、だから触れてみたかったのです。このような透き通るようで、だけれども気品があって、軽やかに見えながら物言わぬ重厚感があり。…そんな壷に触れたなら、どんな手触りなのか、試してみたかったのです。
しかし、…それはお祖父さまが言われた通り、触れてはならないものだったのです。
これほどの美しさは、触れてはならぬものだからこそ。触れれば壊れるほどに儚いものにしか宿らぬ美しさ。
だからこそ、私如きの指が触れたなら、それはあっさりと。楽しい朝の夢が、ふぅっと消えて目が覚めてしまうように。……消えて、落ちて、砕け散ってしまったのです。
私は、自らの愚かな好奇心が取り返しのつかないことをしてしまったことを悟りました。
いくら後悔しても、いくら謝っても。砕けてしまった壷は元の姿に戻ってはくれません…。
私はお祖父さまに叱られるでしょう。とても厳しく叱られるでしょう。それに怯え、私はしくしくと、仕舞いにはわんわんと泣き出すのでした…。
すると、…………美しく、軽やかに舞う黄金の蝶が、ふわりふわりとやって来るのに気付きました。
黄金の燐粉で幻想的に輝きながら、その美しき蝶が一匹、二匹と集まります。
あぁ、ベアトリーチェです。頼もしき黄金の魔女、ベアトリーチェが来てくれたのです。
蝶が次々と集まって群となると、そこには彼女の姿が…。
彼女はいつだって私の味方。私が困っていると、いつだって現れて助けてくれるのです。
それは、とてもとても美しくて、価値と歴史のある素晴らしい壷でした。幼い私が見ても、その美しさにため息が堪えられないほどに。
もちろんそれは、お祖父さまにとってもっともお気に入りのコレクションのひとつ。その儚き美しさが、間違って欠けてしまうようなことがないように、私には絶対触れてはならないと日頃から厳命されていました。
……でも、だから触れてみたかったのです。このような透き通るようで、だけれども気品があって、軽やかに見えながら物言わぬ重厚感があり。…そんな壷に触れたなら、どんな手触りなのか、試してみたかったのです。
しかし、…それはお祖父さまが言われた通り、触れてはならないものだったのです。
これほどの美しさは、触れてはならぬものだからこそ。触れれば壊れるほどに儚いものにしか宿らぬ美しさ。
だからこそ、私如きの指が触れたなら、それはあっさりと。楽しい朝の夢が、ふぅっと消えて目が覚めてしまうように。……消えて、落ちて、砕け散ってしまったのです。
私は、自らの愚かな好奇心が取り返しのつかないことをしてしまったことを悟りました。
いくら後悔しても、いくら謝っても。砕けてしまった壷は元の姿に戻ってはくれません…。
私はお祖父さまに叱られるでしょう。とても厳しく叱られるでしょう。それに怯え、私はしくしくと、仕舞いにはわんわんと泣き出すのでした…。
すると、…………美しく、軽やかに舞う黄金の蝶が、ふわりふわりとやって来るのに気付きました。
黄金の燐粉で幻想的に輝きながら、その美しき蝶が一匹、二匹と集まります。
あぁ、ベアトリーチェです。頼もしき黄金の魔女、ベアトリーチェが来てくれたのです。
蝶が次々と集まって群となると、そこには彼女の姿が…。
彼女はいつだって私の味方。私が困っていると、いつだって現れて助けてくれるのです。
EP3はベアトの夢からスタート。必ずしも事実とは限らないことに注意。
【先代ベアト】「御機嫌よう、お姫様。」
【少女】「ベアトリーチェ! ……ううぅ、ひっく、えっく…!」
【先代ベアト】「おやおや…。このような絶好のお茶会日和に、どうして姫様はそのように涙を零されているのですか…?」
【少女】「…お祖父さまが大切にしていた壷を、壊してしまったの…。うぅ、お祖父さまに怒られます。…どうしたらいいかわからなくて…。ひっく…。」
【先代ベアト】「それは困りましたね。これはお館様が大層お気に入りになられていた壷のはず。……ほほほほ、どのような折檻があるか、このベアトリーチェ、想像するのも恐ろしゅうございます。」
お祖父さまはとても恐ろしい方です。そして、一度言い聞かせたことが守られなかった時は、地獄の堕天使も震え上がるほどに怒り狂うのです。私はそれを骨身に染みてよく知っていましたから、こうして震えながら涙を零すしかないのです…。
【先代ベアト】「零してしまった姫様の涙を掬う魔法は持ち合わせておりませんが、姫様がお館様から折檻を受けなくて済むようにする魔法なら、何とかなるかもしれません。」
【少女】「ほ、本当…?」
【先代ベアト】「姫様が私の力をお信じ下されば、でございます。魔法の力の根源は、信じる力。……奇跡は、それを強く信じる者の前にしか示されません。」
【少女】「し、…信じる…。ベアトリーチェの魔法を信じます。だからこの壷を直してください。お願いします…!」
【先代ベアト】「姫様がそれをお望みでしたら。……それではこのベアトリーチェに、お任せを。」
彼女が人差し指を立てると、そこにふわりと黄金の蝶が止まり、彼女が愛用するケーンに姿を変えます。
ただそれだけのことでも、私はベアトリーチェの素晴らしき、そして偉大なる魔法の力の一端を垣間見るのです。彼女は、砕けた壷にケーンを向け、まるで赤ん坊に子守唄を聞かせるように、魔法の言葉を語りかけます…。
【先代ベアト】「さぁさ、目を閉じて御覧なさい。そして思い出して御覧なさい。あなたがどんな姿をしていたのか。それはきっと、とてもとても美しい姿。どうか私に、あの姿をもう一度見せておくれ…。」
それは言葉なのか、唄なのか。いや、魔法に違いないのです。
だってほら、みるみると壷の破片が寄り集まり、…飾られていた場所にふわりふわりと戻っていって、……元の美しい姿に戻ったのですから。
【少女】「……すごい…。」
【先代ベアト】「ほら。これで元通りですよ。これでお館様にお叱りを受けずに済みますね。」
【少女】「ベアトリーチェはすごいね。壊れた壷を直すなんて、造作もないんだね。」
【先代ベアト】「そんなことはありませんよ。壊れてしまったものを、元に戻すのはとてもとても難しいことです。私の魔法は、一時、それを思い出させるだけに過ぎませんよ。」
【少女】「……? でも、壷はちゃんと元通りになったよ…?」
【先代ベアト】「そうですね。ですがそれは、壷が壊れたという運命を回避させたわけではありません。壊れた壷に、一時、壊れる前の姿を思い出させただけに過ぎません。壊れた運命を、元の姿に修復するほどの魔力は、このベアトリーチェにも未だ至らぬ遥かな高みなのです。」
その時、お屋敷から使用人の甲高い悲鳴が聞こえました。
何事かと行ってみると、……使用人たちが何人か集まり、砕けてしまっている壷の後片付けをしているところでした。使用人たちが言うには、どこからか紛れ込んできた黒猫が、壷によじ登って倒してしまった、と言うのです。
私はベアトリーチェが言った意味を理解します。…私が壷を割ってしまった時点で、“壷は割れた”のです。
ベアトリーチェは、壷を蘇らせて見せたが、それは仮のもの。“壷は割れた”という運命までも変えたわけではない。
その結果、……壷は、本来の運命を思い出し、“割れた”。しかし、割ったのは私ではなく、迷い込んだ猫に代わった…。
そう。ベアトリーチェは、壷を直しましょうとは言っていない。私が、折檻を受けずに済むようにしましょうと言ったのです。
【少女】「ベアトリーチェ! ……ううぅ、ひっく、えっく…!」
【先代ベアト】「おやおや…。このような絶好のお茶会日和に、どうして姫様はそのように涙を零されているのですか…?」
【少女】「…お祖父さまが大切にしていた壷を、壊してしまったの…。うぅ、お祖父さまに怒られます。…どうしたらいいかわからなくて…。ひっく…。」
【先代ベアト】「それは困りましたね。これはお館様が大層お気に入りになられていた壷のはず。……ほほほほ、どのような折檻があるか、このベアトリーチェ、想像するのも恐ろしゅうございます。」
お祖父さまはとても恐ろしい方です。そして、一度言い聞かせたことが守られなかった時は、地獄の堕天使も震え上がるほどに怒り狂うのです。私はそれを骨身に染みてよく知っていましたから、こうして震えながら涙を零すしかないのです…。
【先代ベアト】「零してしまった姫様の涙を掬う魔法は持ち合わせておりませんが、姫様がお館様から折檻を受けなくて済むようにする魔法なら、何とかなるかもしれません。」
【少女】「ほ、本当…?」
【先代ベアト】「姫様が私の力をお信じ下されば、でございます。魔法の力の根源は、信じる力。……奇跡は、それを強く信じる者の前にしか示されません。」
【少女】「し、…信じる…。ベアトリーチェの魔法を信じます。だからこの壷を直してください。お願いします…!」
【先代ベアト】「姫様がそれをお望みでしたら。……それではこのベアトリーチェに、お任せを。」
彼女が人差し指を立てると、そこにふわりと黄金の蝶が止まり、彼女が愛用するケーンに姿を変えます。
ただそれだけのことでも、私はベアトリーチェの素晴らしき、そして偉大なる魔法の力の一端を垣間見るのです。彼女は、砕けた壷にケーンを向け、まるで赤ん坊に子守唄を聞かせるように、魔法の言葉を語りかけます…。
【先代ベアト】「さぁさ、目を閉じて御覧なさい。そして思い出して御覧なさい。あなたがどんな姿をしていたのか。それはきっと、とてもとても美しい姿。どうか私に、あの姿をもう一度見せておくれ…。」
それは言葉なのか、唄なのか。いや、魔法に違いないのです。
だってほら、みるみると壷の破片が寄り集まり、…飾られていた場所にふわりふわりと戻っていって、……元の美しい姿に戻ったのですから。
【少女】「……すごい…。」
【先代ベアト】「ほら。これで元通りですよ。これでお館様にお叱りを受けずに済みますね。」
【少女】「ベアトリーチェはすごいね。壊れた壷を直すなんて、造作もないんだね。」
【先代ベアト】「そんなことはありませんよ。壊れてしまったものを、元に戻すのはとてもとても難しいことです。私の魔法は、一時、それを思い出させるだけに過ぎませんよ。」
【少女】「……? でも、壷はちゃんと元通りになったよ…?」
【先代ベアト】「そうですね。ですがそれは、壷が壊れたという運命を回避させたわけではありません。壊れた壷に、一時、壊れる前の姿を思い出させただけに過ぎません。壊れた運命を、元の姿に修復するほどの魔力は、このベアトリーチェにも未だ至らぬ遥かな高みなのです。」
その時、お屋敷から使用人の甲高い悲鳴が聞こえました。
何事かと行ってみると、……使用人たちが何人か集まり、砕けてしまっている壷の後片付けをしているところでした。使用人たちが言うには、どこからか紛れ込んできた黒猫が、壷によじ登って倒してしまった、と言うのです。
私はベアトリーチェが言った意味を理解します。…私が壷を割ってしまった時点で、“壷は割れた”のです。
ベアトリーチェは、壷を蘇らせて見せたが、それは仮のもの。“壷は割れた”という運命までも変えたわけではない。
その結果、……壷は、本来の運命を思い出し、“割れた”。しかし、割ったのは私ではなく、迷い込んだ猫に代わった…。
そう。ベアトリーチェは、壷を直しましょうとは言っていない。私が、折檻を受けずに済むようにしましょうと言ったのです。
お姫様は紗音、先代ベアトは熊沢。
ただし、熊沢が本当にベアトリーチェと名乗り、紗音のことを「姫様」などと呼んだというわけではない。
ベアトがこういう夢を見ているというだけであり、背景が九羽鳥庵なのも、違うベアトの記憶が混ざっているため。
ただし、熊沢が本当にベアトリーチェと名乗り、紗音のことを「姫様」などと呼んだというわけではない。
ベアトがこういう夢を見ているというだけであり、背景が九羽鳥庵なのも、違うベアトの記憶が混ざっているため。
壷が割れたという運命までは変えられなかったが、私が割ったという事実だけは、確かに変わった…。ベアトリーチェは、見事にその魔法で私の危機を救ってくれたのでした…。
【先代ベアト】「物を壊すことは、とても容易なことです。姫様が壷を割るのに、魔法を必要としなかったように。」
【少女】「…直すことは、とても難しいこと…?」
【先代ベアト】「はい。姫様が途方に暮れて泣き出してしまうほどに。」
【少女】「……魔法というのは、恐ろしいことをする時の方が容易いの? 壊したり、……殺したりすることは簡単にできるのに、直したり、蘇らせたりするのは、とても難しいと言うし…。」
【先代ベアト】「……そうですね。魔法は、殺めたり、壊したりすることの方がとても簡単です。ゆえに、誘惑に負ける弱き魔女たちは、安易に身に付けられる力に酔い、本当の魔法の修行を怠ってしまいます。……本当の魔法とは、直す力、蘇らせる力。散ってしまった幸せを呼び戻し、冷めてしまった愛をも呼び戻す。そして微笑を忘れてしまった姫様の顔に、笑顔を呼び戻せるのですよ。」
【少女】「なら、……壷を直すことができたベアトリーチェは、すごい魔女ということ?」
【先代ベアト】「私など、まだまだ修行の日々ですよ。壷が割れるという運命を、私の魔法ではほんの一時間も忘れさせることが出来なかったのですから。私に魔法を教えてくれたお師匠様ならきっと、永遠に。壷を元の姿に蘇らせることができたでしょうね。」
【少女】「壊れても壊れても、何度でも何度でも直せる…?」
【先代ベアト】「えぇ。その境地に達した時、無限の魔力が備わるでしょう。それこそが、魔女の達するべき無限の境地。私たちはその魔女を、最大の敬いをもってこう呼びます。」
【少女】「無限の魔女…。」
【先代ベアト】「そうです。……無限に直す力を持つ魔女にとって、壊れるという概念はもはや存在しない。失うという全ての悲しみから解放され、永遠の至福を約束されるのです。」
確かに、人の世は離別と喪失の悲しみでいっぱいだ。その悲しみから逃れるために、神に祈り、それを試練だと信じて耐える力を乞う…。つまり、人の人生とは、悲しみを如何にして堪えるかを探る旅なのだ。
だとしたら、万物を蘇らせることができる魔女は、この世の悲しみの全てから解き放たれている。……つまりそれは、永遠の至福…。
【少女】「私も、……ベアトリーチェみたいな魔女になって、永遠に幸せになれるかな。」
【先代ベアト】「姫様が、ですか…? ほっほっほ…、それはそれは長い長い、大変な修行となりますよ?」
【少女】「私、魔女になりたい。……幸せになりたい。ベアトリーチェの弟子になりたい。」
【先代ベアト】「……………。そのお気持ちに、些かの揺らぎもありませんか?」
【少女】「はい。私も、魔女になりたいです。」
【先代ベアト】「……わかりました。では、姫様がお飽きになるまで、私の弟子にして差し上げましょう。…私のことを、お師匠様と呼べますか?」
【少女】「はい、お師匠様。」
【先代ベアト】「良い返事ですね。ではこれからは私と一緒に、魔法の深淵を学んでいきましょう。私とて修行の身。共に魔法を正しく学び、至福の境地を目指して頑張りましょう。」
【少女】「はい、お師匠様…!」
【先代ベアト】「物を壊すことは、とても容易なことです。姫様が壷を割るのに、魔法を必要としなかったように。」
【少女】「…直すことは、とても難しいこと…?」
【先代ベアト】「はい。姫様が途方に暮れて泣き出してしまうほどに。」
【少女】「……魔法というのは、恐ろしいことをする時の方が容易いの? 壊したり、……殺したりすることは簡単にできるのに、直したり、蘇らせたりするのは、とても難しいと言うし…。」
【先代ベアト】「……そうですね。魔法は、殺めたり、壊したりすることの方がとても簡単です。ゆえに、誘惑に負ける弱き魔女たちは、安易に身に付けられる力に酔い、本当の魔法の修行を怠ってしまいます。……本当の魔法とは、直す力、蘇らせる力。散ってしまった幸せを呼び戻し、冷めてしまった愛をも呼び戻す。そして微笑を忘れてしまった姫様の顔に、笑顔を呼び戻せるのですよ。」
【少女】「なら、……壷を直すことができたベアトリーチェは、すごい魔女ということ?」
【先代ベアト】「私など、まだまだ修行の日々ですよ。壷が割れるという運命を、私の魔法ではほんの一時間も忘れさせることが出来なかったのですから。私に魔法を教えてくれたお師匠様ならきっと、永遠に。壷を元の姿に蘇らせることができたでしょうね。」
【少女】「壊れても壊れても、何度でも何度でも直せる…?」
【先代ベアト】「えぇ。その境地に達した時、無限の魔力が備わるでしょう。それこそが、魔女の達するべき無限の境地。私たちはその魔女を、最大の敬いをもってこう呼びます。」
【少女】「無限の魔女…。」
【先代ベアト】「そうです。……無限に直す力を持つ魔女にとって、壊れるという概念はもはや存在しない。失うという全ての悲しみから解放され、永遠の至福を約束されるのです。」
確かに、人の世は離別と喪失の悲しみでいっぱいだ。その悲しみから逃れるために、神に祈り、それを試練だと信じて耐える力を乞う…。つまり、人の人生とは、悲しみを如何にして堪えるかを探る旅なのだ。
だとしたら、万物を蘇らせることができる魔女は、この世の悲しみの全てから解き放たれている。……つまりそれは、永遠の至福…。
【少女】「私も、……ベアトリーチェみたいな魔女になって、永遠に幸せになれるかな。」
【先代ベアト】「姫様が、ですか…? ほっほっほ…、それはそれは長い長い、大変な修行となりますよ?」
【少女】「私、魔女になりたい。……幸せになりたい。ベアトリーチェの弟子になりたい。」
【先代ベアト】「……………。そのお気持ちに、些かの揺らぎもありませんか?」
【少女】「はい。私も、魔女になりたいです。」
【先代ベアト】「……わかりました。では、姫様がお飽きになるまで、私の弟子にして差し上げましょう。…私のことを、お師匠様と呼べますか?」
【少女】「はい、お師匠様。」
【先代ベアト】「良い返事ですね。ではこれからは私と一緒に、魔法の深淵を学んでいきましょう。私とて修行の身。共に魔法を正しく学び、至福の境地を目指して頑張りましょう。」
【少女】「はい、お師匠様…!」
熊沢は、猫が壷を割ったということにして、紗音が金蔵に叱られないようにした。その口裏合わせが魔法となった。